睡眠の質を高めるには背骨から

睡眠の質を高めるには背骨から

「寝つきがよい」「睡眠が深い」「寝起きスッキリ」この3拍子揃ったものが良い睡眠と考えられています。最近の自分の睡眠について困っている!なんて方は、激動だった2020年の環境変化の影響が少なくないのではないでしょうか?

睡眠の質を上げるために知っておきたい呼吸や脳神経、そしてそれに欠かせない背骨のお話からひも解いてみたいと思います。

背骨と呼吸の関係

これから2つの呼吸を試してください。

1.身体をぎゅっと硬直させた状態で大きく息を吸い、大きく息を吐く
2.大きく息を吸いながら胸を反らせ、大きく息を吐きながら背骨を丸める

どちらの呼吸がしやすいでしょうか?おそらく多くの方が、動きを伴った2番目の呼吸の方がしやすかったのではないでしょうか?

それでは日常を振り返ってみてください。デスクワークや在宅ワーク、スマホなどで、私たちの身体は縮まった姿勢をする機会がとても増えています。そこで、先ほどの1番目の呼吸を思い出してください。十分に呼吸が入っていかない身体は、吐く息もあまりないのではないでしょうか。背骨を動かす機会が少ない身体は、常に浅い呼吸が繰り広げられているのです。

呼吸の正体

身体の呼吸とそのプロセスの第1の目的は、肺に新鮮な空気を取り込むことにあります。酸素は肺から血流に入り、心血管系から全身に分配されます。

第2の目的は、細胞呼吸によって生じた老廃物質である二酸化炭素を排出すること。二酸化炭素が正常値よりもほんの10~20%上がっただけでも、めまいなどを引き起こして意識を失うこともあります。

第3の目的は、話したり声を出したりすること。気道や肺、胸の筋肉は、息を吸ったり吐いたりするために年間800万~1,000万回動き続けます。一生の間に呼吸する総量は280,000,000リットルとも言われています。

吸い込んだときの空気の内訳:窒素78%、酸素21%、その他1%、二酸化炭素0.3%
吐き出したときの空気の内訳:窒素79%、酸素16%、二酸化炭素4%、その他1%
安静時の呼吸の回数:12~18回/分(成人)、10~25回/分(70歳以上)
(BODY世にも美しい人体図鑑より)

ん?!吐くときにも酸素が出ていることにお気づきでしょうか?そして、吸ってもたった2割しか酸素が供給できていないんです。それならば、この限られた呼吸はできるだけたくさん、質の良い状態で取り入れたいですね。

よく寝て夢を見ると意外な効果も?!

寝ている間は、レム睡眠(浅い睡眠)とノンレム睡眠(深い睡眠)を交互に繰り返しながら、少しずつ目覚めに向かって浅くなっていきます。レム睡眠は90分周期で1回に10~30分程度現れ、レム睡眠時に夢を見ます。なぜ夢を見るのか、その理由はわかっていません。ただ、睡眠中の脳が行うことの1つに、起きているときの行動や記憶を再現・整理し、必要な情報を定着させることがあり、夢はその活動にかかわる可能性があります。睡眠中の脳は、覚醒中の脳に見られるα波が出ている上、記憶を担う海馬からは、記憶処理中にみられるθ(シータ)波が出ているという実験結果があります。

それでは、なぜ日常の記憶を定着させるのに不思議な夢を見るのでしょうか。それは、海馬や大脳辺縁系といった記憶にかかわる部分は覚醒しているものの、論理的な思考を担う前頭前野は眠っているためと言われています。海馬に保存された記憶などが無秩序に現れても受け入れてしまうのです。意識的には気づけなかったひらめきにつながっているとも考えられています。

この睡眠リズムがうまくいっていると、目覚めたときに良いアイディアがひらめくかもしれませんね!

自律神経の役割を活かすことで眠ることのできる身体にする

自律神経は交感神経と副交感神経の2つの神経から成り立っています。交感神経とは、主に昼間に優位になる神経です。血圧を高めて心身をある程度緊張させ、頭と身体を活動に適した状態にします。仕事などで集中力を高めてくれるのは、この交感神経の働きからです。

一方で副交感神経は、主に夜間に優位になる神経です。心身をリラックスさせる働きがあり、睡眠や休息を取りやすくする状態にしてくれます。

私たちの日常は、2020年に大きく環境が変わった方も多いと思います。ストレスから交感神経が優位になり、その結果うまく睡眠に入れない状況に陥ります。これにより、疲れや内臓機能低下などの不調を招き、それが続くと精神疾患へつながることもあります。

この自律神経は、背骨を介して広がっています。私たちの身体は動くために作られた構造です。背骨はその中でも脳神経とつながり、そしてよく動く構造です。その背骨を動かしていないと、自律神経のコントロールがとても難しくなります。

ヨガのポーズと効果

ヨガのポーズにそれぞれ効果があるのはご存じでしょうか?たとえば、前屈は沈静効果、胸を反らす後屈はエネルギッシュにする、ツイストはデトックスなど…。どのポーズにも背骨の動きは欠かせません。正しく適切な背骨の動きができたら、きっと睡眠の質そのものも上がっていくかもしれません。

背骨を全方位的に動かす新習慣

質の良い睡眠を取るには、まず呼吸の入りやすい身体に整えることがとても大切です。その「呼吸の入りやすい身体」とは、背骨の流動性のある状態です。

そこで、zenplaceの新しいサービス、クラムるSpine Focus!これは「あらゆる角度に背骨を短時間で動かす」ことを考えたプログラムなので、助けになるかもしれません。慣れない動きがあるかもしれませんが、2回3回と繰り返す中で、少しずつ自分の背骨が動いていく喜びを味わえると思います。背骨がしなやかに動くことで自律神経を刺激し、あなたを良い睡眠へと導いてくれます。

睡眠について悩まれている方は、ぜひ短時間でも正しく適切に身体を効率的に動かす習慣を日常に取り入れてみてはいかがでしょうか。