あなたの呼吸は浅い?深い?

あなたの呼吸は浅い?深い?

あなたの呼吸は浅い?深い?

新型コロナ感染症の影響でマスクが必須になり、皆さんマスク生活に慣れてしまいましたよね?色々なマスクを試したり、ファッションアイテムとして楽しんだりしている方がいる一方で、マスクの長時間使用により息苦しさを感じるという声もよく耳にします。

確かに高いフィルター機能を持つマスクは目が細かく、何もないときに比べると息がしにくく感じますよね?でもこれってマスクの影響だけでしょうか?もしかしたらマスクという負荷がかかったことによって、普段から呼吸が浅くなっていたことに気付いたのかもしれません。

実はここ数年「呼吸が浅いと感じる」という動機でヨガに来る方が増えています。お話を伺うと、仕事中や何かに集中しているときに息苦しさや頭痛などの症状が出て初めて気が付くという方が多いです。

今回はなぜ浅い呼吸がよくないのか、なぜ呼吸が浅くなるのか、その根本を知ることでどのように対処したらよいかについて書いていきたいと思います。

呼吸はどんな働きをしているの?

呼吸は深い方がよいということは、なんとなく皆さんご存知かと思います。深い呼吸は自律神経を整え、脳を最適化し、内臓機能を正常化してくれます。反対に浅い呼吸では自律神経が乱れ、脳や内臓の機能低下が起きます。

そもそも呼吸の仕事は、体内に酸素を取り入れることと二酸化炭素を体外に出すことです。それでは、呼吸が浅くなり呼吸の仕事量が減ってしまうとどうなるでしょうか…?

呼吸が浅いとどうなるの?

一番の問題は、身体の中の酸素が減り、軽い「酸欠」の状態になることです。息苦しさだけでなく、高山病のような頭痛や眩暈等の症状も、軽度の酸欠から起きている可能性があると言われています。

酸素が最終的に行きつくのは、全身のありとあらゆる細胞たちの元で、その中には脳細胞や免疫細胞等があります。これらの細胞への酸素供給量が低下した結果、頭痛や眩暈だけでなく、生産性の低下や、免疫機能が落ちて風邪を引きやすくなる、といった反応も考えられます。

呼吸が浅い人の特徴

このような症状はなぜ起きるのでしょうか?一番の原因は不良姿勢だと言われています。

呼吸には大きく分けて胸式呼吸と腹式呼吸があり、胸式呼吸は首元から鳥かごのように広がっている肋骨を動かすことで肺に空気を出し入れし、一方腹式呼吸はお腹の空間を膨らませることで横隔膜を広げ、肺に空気を入れる仕組みになっています。どちらも胴まわりを伸び縮みさせることで空気の出し入れをしています。

この胴体を支えている背骨が丸まり、猫背になっていたらどうなるでしょうか?
肩が胸の方に落ちてお腹がつぶされ、顎が前に突き出てきます。これは、空気入れのポンプがつぶれて容量が少なくなっているような状態で、何回もポンプを動かさなければなりません。

また、運動不足で全身の柔軟性が低下した状態ならどうでしょうか?固いボールに空気を入れるには、柔らかいボールよりも力がいりますよね。
これを人体に置き換えると、身体が硬く強張っているほど余分な力を必要とするため、自然と呼吸が浅くなりやすい状態になります。

呼吸が浅くなり、息苦しいと脳が判断すると、呼吸数や心拍数が上昇し、交感神経優位の状態が続き、自律神経のバランスを崩してしまいます。交感神経も使い方次第ですが、リラックスしたときまでスイッチを切れないと、睡眠の質が下がって疲れが溜まりやすくなります。

呼吸を観察してみましょう

ここまで読んで、少しでも当てはまることがあった方にまず試していただきたいのは、1日を通して気が付いたときに自分の呼吸を観察してみることです。感覚がつかみにくい場合は、手でお腹や胸を触ってみてください。胴体全体の骨や筋肉を動かす感覚神経を養っていくことがまず何よりも重要です。

難しく考える必要はありません。ただ呼吸を観察するだけで、いつもより呼吸のスピードが遅く、少しだけ深くなります。胴体のどこが動いて呼吸しているかを、注意深く観察してみましょう。クラムるの最後、45秒の瞑想の時間が最適かもしれませんね。

肋骨の両サイドや腰のあたりは、あまり動きが感じられないことが多いです。背骨や肋骨まわりを動かし呼吸筋を緩めていくことから始めます。さらに肩関節や股関節なども適度に可動域が上がると、少ない力で力みなく呼吸できるようになっていきます。

息苦しさから解放されるだけではない、深い呼吸から得られる効果を感じるために、今日から早速始めてみませんか?