実は"無"にならなくて良い、
マインドフルネス瞑想

実は無にならなくて良い、マインドフルネス瞑想

マインドフルネス瞑想って?

瞑想と聞いて「宗教っぽい」「なんか怪しい」なんて思ったことはありませんか?
また、なんとなく効果があるとわかっていても「瞑想中は心を無にしなければいけない」と思っている方が多いことから、「難しそう」「自分とは無縁」という声もよく聞きます。
しかし近年さまざまな研究によって、瞑想によって生まれる効果が科学的にも証明されています。その効果はストレス軽減や集中力アップなどにとどまらず、高血圧、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎の炎症緩和など疾患への効果、抑うつ緩和や不眠症改善なども挙げられています。

数種類ある瞑想の中でもマインドフルネス瞑想は、グーグルやアップルなど先進企業が採用しており、注目を集めています。
マインドフルネス瞑想は、過去や未来にとらわれず「今、この瞬間」に意識を向ける瞑想法です。その方法は、静座瞑想やボディースキャン瞑想、慈悲の瞑想、実際に食べ物を食べながら行う食べる瞑想や歩きながら行う歩く瞑想、ヨーガ瞑想などさまざまです。
今回は、マインドフルネス瞑想の中で最も簡単で効果的な呼吸瞑想をご紹介します!

呼吸に意識をむける呼吸瞑想

呼吸瞑想は、自分の呼吸に意識を向け、その間にどんなことが起こっているのかを観察していきます。呼吸は私たちが当たり前にしていることであり、常に私たちと共存している呼吸に意識を向けることで「今、ここ」に意識を向けることができます。
簡単な手順をご説明します。

  • 1.仰向けに寝るか椅子に腰かけるか、床にあぐら座や正座で座るかどれか楽な姿勢を選びます。
     ※座る場合は、呼吸がしっかり入るように背筋をまっすぐにし、肩の力は抜きます。
  • 2.目は閉じるか半眼の状態で一点を見つめます。
  • 3.姿勢が整ったら自分の呼吸に意識を向けていきます。
  • 4.呼吸をコントロールしようとせずに自然な呼吸を続けます。

息を吸うときはお腹が静かに膨らんでいき、吐くときは静かに引っ込むのを感じます。息を吸っている間も吐き出している間も、呼吸のすべての瞬間に意識を向けていきます。
最初のうちは5分間だけでもよいので毎日続けます。慣れてきたら徐々に時間を延ばしていきます。また瞑想を行う時間帯は朝でも夜でもよいので、自分に合った時間帯を選んでください。

意識が呼吸からそれてしまったら?

呼吸に意識を向け続けていると、途中で仕事のこと、好きな人のこと、今日の夕食のことなど、ほかの思いや考えが浮かんでくることがあるかもしれません。そんなときは、まず「呼吸から意識が離れてしまった」と気づくことが大切です。そのことに気づいたら、その思いや考えが自分の心をどれだけ支配しているかを観察し、手放します。注意が薄れてくると姿勢も乱れてしまうため、もう一度姿勢を正し、そしてまた呼吸に意識を戻していきます。

はじめのうちは呼吸から意識が薄れてしまうことが多々あるかもしれません。でも続けていくうちにその回数は減っていき、長い時間呼吸だけに意識を向けることができるようになるはずです。
毎日一定の時間、何もせずに呼吸の流れを観察していると心が安定し、落ち着きや集中力が強化されていきます。

マインドフルネス瞑想のすすめ

マインドフルネス瞑想をするうえで大切なことは「何も期待しない」ということです。
何かに期待してしまうと、その望みが手に入らなかったとき、他人のせいにしたり、ひどく落ち込んだりしてしまいます。最初に、瞑想にはさまざまな効果があるとお伝えしましたが、その効果を期待するとか、「すぐに結果を得よう」「こういう風になりたい」など、瞑想の方向性を自分で決めないようにしましょう。逆に「きっと効果がない」「私にはうまくできない」というように自分で評価を下すこともしないようにします。

瞑想をすること自体を目的として取り組んでみてください。
こんな時代だからこそ、何もしないで「今、この瞬間」に意識を向ける時間を毎日作ってあげましょう。まずは自分の呼吸に意識を向けることからはじめてみてください!