最近、判断力が乏しい、いつもストレスがあり、不安になったりイライラしたりする、そんな悩みを抱えていませんか？そんな悩みが、瞑想という「脳の筋トレ」で改善できることが科学的に証明されてきています！
脳はうつろいやすく、ネガティブになりやすい性質をもっている
実は私たち人間の脳は「マインド・ワンダリング=心がさまよっている状態」に陥りやすい特徴を持っています。今この瞬間に起こっていることに集中するよりも、ついイヤなことを思い出したり、将来の不安について考えたりしてしまうそう。それが続けば、どんどん悲観的になって、今度は重度のストレス状態に陥ってしまう可能性があります。ネガティブな色眼鏡をかけて物事を捉えるパターンが強化されてしまうので、実際に起こっていることと過去の嫌な出来事を結び付けて、余計に大げさに捉えてしまう、必要以上に将来のことを不安がるという状態が引き起こされてしまうのです。
長期的にストレス状態に陥った脳はどうなるのか？
人は、過去に起きたネガティブな出来事の記憶や、将来の不安を繰り返し感じることで、実際にはその出来事が今は起きていないのにも関わらず、脳内の警報アラームである扁桃体はネガティブなメッセージを発し続けることになります。
まさに、今起きているコロナが、それではないでしょうか？
目に見えないウィルスにかからないように、会う人、行く場所にいつも気を張っている。
コロナにかかると、自分のことよりも他人に迷惑をかけてしまう。
そういった不安が、いつも頭につきまとっているのではないでしょうか？
こういったことが継続すると些細なきっかけでも、扁桃体が反応しやすくなってしまうと考えられています。
扁桃体が活動的になると、副腎と呼ばれる臓器にメッセージが伝えられ、そこからコルチゾールなどのストレスホルモンが分泌されます。また交感神経を緊張させ、血圧や心拍数の上昇、発汗などの反応が引き起こされます。
一方でこの扁桃体をコントロールしている部位が、前頭前野です。理性的な前頭前野の活動が低下している脳では些細な出来事で怒りを爆発させてしまったりすると考えられています。これが所謂キレてしまった状態と言えます。
瞑想で脳が変えられる！
しかし近年の研究で、瞑想によって脳の状態に変化をもたらせることがわかってきました。カーネギー・メロン大学などの研究チームが、2016年7月に学術誌『Biological Psychiatry』で発表した研究では、被験者にマインドフルネス（瞑想）を3日間集中的に行ってもらったところ、1ヶ月経っても 背外側前頭前皮質 の活動量がおよそ3倍に増えていたそうです。
「背外側前頭前皮質」は、前頭前野に含まれる脳の一部です。前頭前野は、複雑な認知行動の計画、適切な社会的行動の調節など、高度な機能をコントロールしていますが、中でも背外側前頭前皮質は「脳の最高司令塔」と呼ばれています。「知能」を担当する部分で、意思決定を行い、合理的に物事を考え、情動を抑制します。
この背外側前頭前皮質が活性化すると、マインド・ワンダリングが抑えられ、ストレスを回避することができるのです。また、判断力や意欲のほか、目標達成を信じる気持ちも高められます。
あなたも脳の筋トレを始めましょう
名古屋大学教授の大平英樹氏は、マインドフルネスを「脳の筋トレみたいなもの」と例えています。なぜならば、瞑想は、集中することが苦手な脳が、集中することを可能にする訓練だからです。
そして、この瞑想が、背外側前頭前皮質 を活性化してくれるというわけです。
瞑想をすることで前頭前野（背外側前頭前皮質を含む）が活性化し、扁桃体をコントロールする力を高めることができると分かってきました。瞑想を継続することで脳の形自体が変化し、特定の状況における脳の反応が変化することも知られています。
瞑想と言われると構えてしまう人もいるかもしれませんが、最初から集中することができるか、思考の切り替えができるかどうかは、さほど重要ではありません。「生まれつきの性格」「向いている、向いていない」ということはなく、瞑想に取り組もうとする努力を重ねることで、次第に眼窩前頭皮質や背外側前頭前皮質の回路を鍛えることができるのです。いわば、筋トレと同じこと。使っていない回路は次第に衰えます。使えば使うほど強くなります。最初はもたもたしていても、ぱっと切り替えて集中することを繰り返していれば、次第にストレスや感情に振り回されづらい脳になっていきます。
まずは『クラムる』をやってみましょう！15分集中して動いた後に数分の瞑想を行うプログラムを繰り返すことで、だんだんと変化が感じられるはずです。たとえうまくできない時があっても、根気強く取り組んでいきます。やがて脳の状態が変わり、なりたい自分になっていき、自由自在で活力にあふれた日々を是非体感してください。