脳と身体が回復する休日の過ごし方

脳と身体が回復する休日の過ごし方

あなたは明日が休みとわかったら何をしますか?
疲れを取るためにたくさん寝て寝だめ、のんびりDVD鑑賞、趣味や好きなことをするなど…。

休みに好きなことをしたのに身体がだるい、重いといった経験はありませんか?
このとき、脳や身体にはどんなことが起こっているのでしょうか?
休んだはずなのに疲れが取れない原因がわかり、休日の過ごし方で脳や身体の疲れが取れるとしたら?!来週からあなたはどう過ごしますか?

寝だめをしたときに身体で起こっていること

休日に寝だめをすると、体内時計(自律神経のバランス)が崩れ、体温や脳内ホルモンに悪影響を与えて脳や身体が十分に働かなくなってしまい、ダルさを感じてしまいます。

自律神経のバランスには、
・日中身体を活発に動かすときに働く交感神経
・夜眠くなるときに働く副交感神経
があり、この2つが正常に働くことにより私たちの身体は健康な状態を保っています。
自律神経のバランスが崩れると、不眠や疲労感、イライラや不安感など、心身にさまざまな不調をきたします。

寝だめをすることによって本来活動的になる日中に副交感神経が優位になり、夜眠れずにTVを見たりスマホをいじったりしていると、逆に交感神経が優位になってしまいます。
寝だめによる身体や頭のダルさは、海外旅行後の時差ボケの症状に似ていると言われています。3時間のズレはニュージーランド、5時間はドバイの時差に近いため、たくさん寝たはずなのに身体のダルさを感じてしまうのです。

のんびりDVD鑑賞

「今日は1日のんびり好きなDVDを観て過ごそう」と決めて、いざ観ていたら余計に疲れた…。のんびり休んでいたはずなのにどうして疲れるのでしょうか?
人は目や耳からの情報をすべて脳で処理しているため、起きているときは脳がフル稼働している状態。休んでいるはずが逆に疲れさせてしまっているのです。そのため脳も休ませてあげることが大切です。
私たちが心と身体を回復させるには、脳と身体の疲労を解消してあげることがキーポイントとなります。

脳と身体の疲労とは?

疲労には2種類のタイプがあります。
・睡眠や休息で回復する肉体疲労(抹消疲労)
・精神的なストレスなどによる脳疲労(中枢性疲労)
寝ても疲れが取れないという方は、身体ではなく脳が疲れているのかもしれません。

脳は何もしなくても勝手に疲れていくという構造を持っています。脳内にはデフォルトネットワークという回路があり、意識的な活動をしていないときでも常に活動をしていて、その活動量は脳の消費エネルギーの60~80%を占めると言われています。

そのため、ただ身体を動かさずに休んでいても脳の疲れは取れず、それどころかどんどんエネルギーを消費し続けてしまいます。

それでは、脳と身体を回復させるにはどうすればよいのでしょうか?
簡単に取り入れられるいくつかの方法をご紹介します。

1.ダラダラ過ごさずアクティブに活動をする。

趣味や楽しみがある人は、ダラダラするのではなく好きなことに打ち込みましょう。「 アクティブ=特別なこと」と思いがちですが、特にすることが見つからない場合は、読書や家事などがおすすめです。1日数回、隙間時間に15分間のクラムるに参加するのもひとつの方法ですね。

2.パソコンやスマートフォンを絶つ

情報社会の中、パソコンやスマートフォンを絶つのは難しいですが、外からの情報が多いほど脳は休むことなく活動を続けてしまいます。【のんびりDVD鑑賞】でも説明したように、人は目で見たもの聞いた情報などを脳で処理しているため、ただ画面を見ているだけでも疲労しています。脳を休ませるためには、見ない時間を作ることも大切です。

3.瞑想やマインドフルネス

脳のデフォルトネットワークの活動を抑えるには、脳を休める効果のある瞑想がおすすめです。人は起きている10数時間のうち半分近い時間を、目の前のことに集中しているつもりでも頭の中ではほかのことを考えています。瞑想をすることで「今、この瞬間」に集中でき、脳がクリアになると言われています。

瞑想と聞くと座ってじっとしているイメージが強いですが、さまざまな瞑想があります。

○思い浮かんだことをただひたすら紙に書く「ジャーナリング」

書く内容はなんでもOK。思い浮かんだことをひたすら紙に書き出すだけです。書いているうちに少しずつ気持ちが落ち着いてきて、頭が整理されてきます。いつも忙しい方は、ジャーナリングをすることで自分の心と向き合うことができます。

○歩く瞑想

「歩く動作」に集中。足の動きと感覚に意識を向けながら歩きます。足が地面に着く感覚や離れる感覚、手や足の筋肉や関節の動き、地面を蹴って進む感覚などを、一つひとつ感じながら歩きます。難しい場合は「右、左」「アップ、ダウン」等でもかまいません。
普段何気なく行っている「歩行」ということに意識を向けると、これも瞑想につながります。 通勤時などちょっとした時間でも実践が可能です。

4.身体を動かす

「身体を動かす=疲労回復やストレス解消効果がある」と言われています。運動は毎日しないと意味がないと思っている方も多いと思いますが、週末だけの運動で効果は期待できます。更に、週末だけ身体を動かす人は、運動しない人に比べて死亡リスクが30%低いと言われています。
運動と聞くと、筋トレやジョギング等のハードなイメージがありますが、街中を歩いたり、サイクリングしたり、クラムるのような短時間運動でも効果は期待できます。

私たちが疲れを取るためにしていた行動が、知らぬ間に自ら脳や身体に負担をかけていることも考えられます。自分の心と身体の状態は、自分で整えるしかありません。なんとなく毎週疲れが取れない…なんか辛いな…と思っている方、一度立ち止まって休日の過ごし方を見直してみてはいかがでしょうか!